踵接地が必要な理由

なぜ踵接地を作った方がいいのか?

「踵接地」がなぜ必要なのか?なんとなく分かってはいるけど、その必要性について改めて考えてみました。

『踵接地の役割』

理由①ヒールロッカー機能の役割を果たすため

理由②踵接地時に歩行適応におけるエラー抽出が行われるため

理由③踵接地時に大臀筋の筋活動が得られやすくなるため 

 

まずヒールロッカー機能について説明します。

ヒールロッカーとは?

 なぜヒールロッカーが必要か?

まず、歩行中の重心位置の軌跡を確認してみましょう。二足歩行であるヒトは、重心の上下動を繰り返し、位置エネルギーと運動エネルギーを相互に変化させて効率的な歩行を繰り返しています。一般的に歩行中の重心移動を支状面から見た場合、約2cmの振幅で上下動を行っていると言われております。

 

踵接地時は、重心が最高点から一気に最下点まで落下してくることになります。上下動が2cmであるため、2cmの重心落下ということになりますが、この際に身体(骨、関節、内臓、脳)に大きな衝撃がかかります。その衝撃を吸収するため、heel rockerによる踵接地が必要となるのです。

 

なぜ踵接地で衝撃吸収ができるのか?

踵接地時、前脛骨筋・大腿四頭筋ハムストリングス・脊柱起立筋など、この時期に活動するほとんどの筋が遠心性収縮を行い衝撃吸収に動員されると言われています。そのため、踵接地時に生じる衝撃を体重の1.2倍程度まで抑えることができるのです。

 

どうやって回転運動を起こしているのか?

ただ、踵接地時に上記のような筋群が同時に収縮を起こしたら、身体は前方に回転できず、踵接地のたびに一旦動作が静止し効率の悪い歩行になってしまいます。

 ではどのようにして回転運動を起こし身体を前方に移動しているのでしょうか?

そこには「踵の形状」が重要となっています。踵接地は関節面での接地ではないので、踵の形状を使って前方回転を起こしているのです。